「Y!mobile(ワイモバイル)」は「UQモバイル」と同じく大手キャリアのサブブランドという位置付けの格安SIM。KDDIの「UQモバイル」に対して「Y!mobile(ワイモバイル)」はソフトバンクのブランドです。
「Y!mobile(ワイモバイル)」で現在加入できる料金プランは「シンプルS/M/L」(2021.12.30現在)の1種類。というわけでサービス内容を詳しく見ていきましょう。
目次
Y!mobile(ワイモバイル)とは?
「Y!mobile(ワイモバイル)」とは「ソフトバンク株式会社(及び株式会社ウィルコム沖縄)」が運営する移動体通信サービスのブランドです。
もともとは「ワイモバイル株式会社」が「Y!mobile」としてサービスを提供していましたが、2015年4月1日にソフトバンクに吸収合併され、ソフトバンクがサービスを引き継ぐ形で「Y!mobile(ワイモバイル)」ブランドとして提供してます。
ソフトバンクのメインブランドである「ソフトバンク」、オンライン専門ブランドである「LINEMO」に対して「Y!mobile(ワイモバイル)」はサブブランドという位置付けとして知られています。
月額料金や諸費用について
月額料金
「Y!mobile(ワイモバイル)」では「シンプルS/M/L」という3種類の料金プランを提供しています。それぞれのデータ容量は「シンプルS」が3GB、「シンプルM」が15GB、「シンプルL」が25GBと設定されており、月額料金は以下のようになっています。
データ容量 | 3GB | 15GB | 25GB |
月額料金 | 2,178円 | 3,278円 | 4,158円 |
「Y!mobile(ワイモバイル)」はソフトバンクのサブブランドということもあり、月額料金だけを見ると他の格安SIMに比べてやや割高といった印象ですね。
下記はサブブランドも含めた格安SIM各社の料金プランにおいて、データ容量別の月額料金の一覧をまとめた記事です。「Y!mobile(ワイモバイル)」の月額料金が他社と比較してどの程度なのかというのが分かるかと思いますので参考にしてください。
諸費用について
初期費用
「シンプルS/M/L」の初期費用は以下のようになっています。
■契約事務手数料
3,300円
※オンラインストアを利用する場合は契約事務手数料は発生しません。
※ソフトバンク、LINEMOから乗り換え(番号移行)の場合、契約事務手数料はキャンペーンにより無料となります。
■SIMカード発行手数料
0円
店頭で契約する場合は「契約事務手数料」として3,300円が必要なのですがオンラインストアから申し込む場合は0円なので、実質的には初期費用は発生しないと言えるのではないでしょうか。
解約時にかかる費用
「シンプルS/M/L」の解約時にかかる各種費用は以下のようになっています。
■最低利用期間
なし
■契約解除料
0円
■MNP転出手数料
0円
「Y!mobile(ワイモバイル)」の料金プラン「シンプルS/M/L」には「最低利用期間」「契約解除料」は設定されていません。つまり、どのタイミングで解約しても契約解除料が発生することはありません。
また、MNP(Mobile Number Portability:携帯電話番号ポータビリティ)を利用して他社へ乗り換えする際の「MNP転出手数料」も無料となっています。
データチャージ
多くの格安SIMでは、料金プランにおける月間のデータ容量を使い切っても「データチャージ」を行うことでデータ容量の残量をチャージ(増量)することができます。
「Y!mobile(ワイモバイル)」の料金プラン「シンプルS/M/L」も 「データチャージ」(Y!mobileでは「通常速度に戻すためのデータ容量の追加購入」と表現されている)を行うことが可能で、その料金は以下のようになっています。
データ容量 | 料金 |
500MB | 550円 |
使用している回線について
「Y!mobile(ワイモバイル)」はソフトバンクのブランドなので当然ながらソフトバンクの回線を使用してデータ通信サービスを提供しています。
ただし、ソフトバンクから「Y!mobile(ワイモバイル)」に乗り換える場合であってもSIMロック解除が必要なので注意しましょう。
ソフトバンク回線使用なのでドコモ、auのスマホを使用する場合はSIMロック解除が必要です。
※SIMフリースマホの場合はもちろんSIMロック解除不要です。
通常スマートフォンを購入したキャリアと同じ回線を使っていればそのまま使えるのですが「Y!mobile(ワイモバイル)」の場合、ソフトバンクのスマホであってもSIMロック解除が必要です。
※こちらもSIMフリースマホであればSIMロック解除は不要です。
料金プランの特徴
余ったデータ容量は翌月に繰り越し
「Y!mobile(ワイモバイル)」の料金プラン「シンプルS/M/L」では、プランに基づくデータ容量を当月に使い切れずに余ったデータ容量は自動的に翌月に繰り越されます。
例えばデータ容量15GBの「シンプルM」において、当月9GBのデータ通信量を使用して6GBが余った場合、翌月は21GB(6GB+15GB)を使用することができます。
くりこされるデータ容量が有効なのは翌月末(繰り越された月の月末)までで、それ以降は繰り越すことはできません。
つまり翌月に繰り越せるデータ容量の最大量は、契約している料金プランのデータ容量と同量です。例えば15GBのプランであれば最大15GBまで翌月に繰り越すことができます。
ただし「データ増量オプション」を申し込んでいる場合は増量分を含めたデータ容量が繰り越し可能なデータ容量となります。
データ容量超過時の通信速度
「シンプルS/M/L」では当月のデータ容量を使い切った場合、通信速度に制限がかかります。制限下での通信速度は契約している料金プランによって異なり以下のように定められています。
料金プラン | データ容量超過時の通信速度 |
シンプルS | 最大300Kbps |
シンプルM | 最大1Mbps |
シンプルL | 最大1Mbps |
「シンプルS」では速度制限により最大300kbpsとなりますが「シンプルM」「シンプルL」では速度制限下であっても最大1Mbpsの通信速度でデータ通信を利用することができます。
「シンプルS」の最大300kbpsというのはデータ通信を行うにはややストレスを感じてしまうと言わざるを得ませんが、「シンプルM」「シンプルL」の最大1Mbpsであれば、よほどデータ通信量を必要とする使い方をしなければかなり快適に利用することができるでしょう。
節約モード・高速モードの切替は不可
格安SIMの中には、データ通信において「高速モード⇔低速モード」のように通信速度を自由に切り替えすることができるサービスを提供しているブランドがあります。
これは、いわゆる「低速モード」でのデータ通信は通信速度に制限をかける代わりとしてデータ通信量が一切発生しないというサービス。「節約モード」という呼ばれ方もしています。
SNSなどそれほどデータ通信量を必要としないケースでは「低速モード」を利用することでデータ容量の消費を防ぐことができるというわけです。
しかし、残念ながら「Y!mobile(ワイモバイル)」の「シンプルS/M/L」では「高速モード⇔低速モード」の切替ができるサービスは提供されていません。
海外でのデータ通信も可能
「Y!mobile(ワイモバイル)」はソフトバンクの国際ローミングサービスである「海外パケットし放題」を利用して海外(対象の国・地域に限る)でもネット接続を行うことができます。
ただし、利用料金はやや割高。複数人でテザリングして利用(料金はシェア)するならともかく、1人で利用するのはちょっと考え物です。レンタルwifeやプリペイドSIMなど、別の手段を検討する方がよいかもしれません。
■料金(1日あたり)
25MBまで:0円~1,980円
25MB以上:2,980円
オプションなど
通話オプション
「Y!mobile(ワイモバイル)」の「シンプルS/M/L」には2種類の以下の通話オプションが用意されています。
■だれとでも定額
月額料金:770円
内容:10分以内の国内通話なら何度かけても定額。
■スーパーだれとでも定額(S)
月額料金:1,870円
内容:国内通話が通話時間に限らず定額。
国内通話10分定額の「だれとでも定額」は1ヶ月の合計通話時間が18分以上、24時間定額「スーパーだれとでも定額」は1ヶ月の合計通話時間が43分以上であれば、オプションなしの場合より割安になります。
自分の通話の利用状況を把握してオプションを付けた方が得か、またどちらのオプションを選ぶべきかというのを検討してみるとよいですね。
データ通信オプション
「Y!mobile(ワイモバイル)」には「データ増量オプション」が用意されています。
「データ増量オプション」に申し込むと、契約している料金プランに応じてデータ容量が増量されます。増量されるデータ容量、月額料金は以下の通り。
■料金
550円/月(初めて申し込みの場合初月無料)
■増量分
シンプルS:+2GB
シンプルM: +5GB
シンプルL: +5GB
通信速度について
「Y!mobile(ワイモバイル)」の通信速度について見てみましょう。通信速度については「みんなのネット回線速度」という、携帯キャリアや光回線の速度比較が出来るサイトの情報を参考にしてみます。
参考:みんなのネット回線速度(https://minsoku.net)
※「みんなのネット回線速度」にて直近3ヶ月に計測された「Y!mobile(ワイモバイル)」の測定結果からの平均値を参照。(2021年12月29日現在)
※「みんなのネット回線速度」における測定結果は、通信環境や時期によって結果が変わってくるので、内容についてはあくまで参考程度としてください。
下記は「Y!mobile(ワイモバイル)」の時間帯別の平均速度です。
※みんなのネット回線速度(https://minsoku.net/speeds/mvno/services/y-mobile)より引用
サブブランドだけあってどの時間帯でも通信速度の低下は見られず、終日快適なデータ通信が可能であることが分かるのではないでしょうか。
時間帯 | 下り | 上り |
朝 | 67.12Mbps | 17.31Mbps |
昼 | 32.29Mbps | 12.38Mbps |
夕方 | 53.92Mbps | 15.12Mbps |
夜 | 60.9Mbps | 15.33Mbps |
深夜 | 55.09Mbps | 14.91Mbps |
ネットでの評判も見ておきましょう。
Twitterで「UQモバイル」で検索してみたところ、通信速度に関しては好印象のツイートが多くみられます。
Twitterで「Y!mobile(または「ワイモバイル」)」で検索してみたところ、通信速度に関しては好印象、不満のツイートともに見られます。
このように評価するツイートがある一方・・・
遅い、と不満を表明するツイートもけっこうありますね。
「Y!mobile(ワイモバイル)」と同じような位置付けの、KDDIのサブブランドである「UQモバイル」では、通信速度に関しては概ね評価する声が多かったのでちょっと気になるところではあります。
割引サービス
「Y!mobile(ワイモバイル)」では家族も対象となる割引サービスとして「家族割引サービス」と「おうち割」が用意されています。
なお「家族割引サービス」と「おうち割」を併用することはできません。
家族割引サービス
家族で「Y!mobile(ワイモバイル)」を利用している場合、2回線目以降の月額料金が1,188円割引(「シンプルS/M/L」以外は550円割引)になるというサービス。
例えば家族4人で「シンプルS/M/L」を利用して「家族割引サービス」を申し込んだ場合、下記のように2回線目以降となる3人に特典が適用され、総額で月に3,564円割引となります。
(例)家族4人で利用した場合
利用者 | シンプルプラン | 割引前 | 割引額 | 割引後 |
本人(主回線) | M | 3,278円 | - | 3,278円 |
家族A(副回線) | S | 2,178円 | 1,188円 | 990円 |
家族B(副回線) | M | 3,278円 | 1,188円 | 2,090円 |
家族C(副回線) | L | 4,158円 | 1,188円 | 2,970円 |
合計 | 12,892円 | 3,564円 | 9,328円 |
おうち割
インターネット接続サービスや電力サービスなどをセットで契約することで「Y!mobile(ワイモバイル)」の料金プランが割引きとなるというサービス。
また、家族が「Y!mobile(ワイモバイル)」を利用している場合は、本人も含めて家族も割引きの対象となります。
「おうち割」には「おうち割 光セット(A)」と「おうち割 でんきセット(A)」の2種類があります。
「おうち割 光セット(A)」はインターネットの対象サービスと「Y!mobile(ワイモバイル)」の料金プランをセットで契約することが条件。「シンプルS/M/L」の場合は月額料金が1,188円割引となります(他の料金プランは550円割引)。
「おうち割 でんきセット(A)」は電力サービスの対象プランと「Y!mobile(ワイモバイル)」の料金プランをセットで契約することで月額料金が110円割引となります。
「おうち割 光セット(A)」と「おうち割 でんきセット(A)」のそれぞれの対象サービス、対象プランは以下の通り。
■おうち割 光セット(A)
【対象サービス】
・SoftBank 光
・SoftBank Air
【対象プラン】
・シンプルS/M/L
・スマホベーシックプランS/M/R/L
・データベーシックプランL
・Pocket WiFiプラン2(ベーシック)
・スマホプランS
・データプランL
・Pocket WiFiプラン2
■おうち割 でんきセット(A)
【対象サービス】
・おうちでんき
・北陸電力対象プラン
・九州電力 対象プラン
【対象プラン】
・シンプルS/M/L
・スマホベーシックプラン
・スマホプラン
・データベーシックプランL
・データプランL
・Pocket WiFiプラン2
メリット・デメリット
最後に「Y!mobile(ワイモバイル)」の「シンプルS/M/L」のメリット・デメリットをまとめてみました。それぞれをよく把握したうえで、自分の使い方にはメリットの方が多いのか、それともデメリットの方が多いのかを検討してみるとよいですね。
「Y!mobile(ワイモバイル)」のメリットとしては以下のような点があげられます。
- ソフトバンクと同等の通信速度。
- 低速時でも最大1Mbps(M・Lの場合)。
- 「家族割引サービス」がある。
- 「おうち割」がある。
- 実店舗でのサポートあり。
「Y!mobile(ワイモバイル)」のデメリットとしては以下のような点があげられます。
- 他社に比べて月額料金がやや高い。
- ソフトバンク回線しか選べない。
- 節約モード/高速モードの切り替えができない。