「UQモバイル」はY!mobileとともに大手キャリアのサブブランドという位置付けで、数ある格安SIMの中でも高い人気を誇っています。
2021年3月から「UQモバイル」は新しい料金プラン「くりこしプラン」の提供を開始。月額料金がこれまでより大幅に値下げされたことでより使いやすくなっています。
目次
UQモバイルとは?
「UQモバイル」は元々はKDDI系のMVNOとしてスタートしたのですが、2020年10月にKDDIが事業を継承。以降、KDDIのメインブランドであるauに対して、UQモバイルはサブブランドとしてサービスを提供しています。
当初はMVNOだっただけに今でも格安SIMというイメージがあると思いますが、サブブランドとなった今でもサービス内容はそれほど変わっていないので、いわゆる「格安SIM」という捉え方をしてもよいのではないかと思います。
サブブランドという位置付けから、MVNO(格安SIM)に比べると料金プランの月額料金はやや高めの値段設定ですが、通信の品質、つまりデータ通信の快適さという点では高い評価を得ているのが「UQモバイル」です。
UQモバイルの「くりこしプラン」
「UQモバイル」では「くりこしプラン」という料金プランが提供されています。「データ高速プラン」「データ無制限プラン」というデータ通信専用の料金プランもありましたが、2021年3月31日をもって新規の受付を終了したため、現在は「くりこしプラン」のみ契約可能となっています。
「くりこしプラン」は3種類から選ぶことができ、それぞれ「くりこしプランS(3GB)」、「くりこしプランM(15GB)」、「くりこしプランL(25GB)」と、月に使用でいるデータ容量が異なります。
くりこしプランの月額料金
「くりこしプラン」の「くりこしプランS」、「くりこしプランM」、「くりこしプランL」それぞれの月額料金は以下のようになっています。
プラン | データ容量 | 月額料金 |
くりこしプランS | 3GB | 1,628円 |
くりこしプランM | 15GB | 2,728円 |
くりこしプランL | 25GB | 3,828円 |
auの回線に対応
当然ですがUQモバイルはKDDIのサブブランドであるためau回線(au 4G LTE)を使用してデータ通信サービスを提供しています。
そのためauからUQモバイルに乗り換える場合、auのスマホをそのままUQモバイルで使うのであればSIMロック解除する必要がありません。
※機種によってはSIMロック解除が必要な場合があります。
逆にau以外、ドコモやソフトバンクのスマホをUQモバイルで使用する場合はSIMロック解除が必須となります。
最低利用期間・契約解除料はなし
スマホには、いわゆる「〇〇縛り」といった最低利用期間が設けられている場合がありますが、UQモバイルの「くりこしプラン」には設定されていないので解約のタイミングを気にする必要はありません。
また、解約時に違約金や解約解除料のような費用も不要。さらに他社へ乗り換えする場合に発生する「MNP転出手数料(3,300円)」も2021年4月1日に廃止になっています。
2021年4月1日より他の通信事業者に乗り換える際の手数料 (MNP転出手数料) 3,300円(税込)は廃止となりました。
UQモバイル公式HPより引用
余ったデータ容量は翌月に繰り越し
「くりこしプラン」という名前からも分かるように、各料金プランに定められたデータ容量を当月に使い切れなかった場合、余ったデータ容量は翌月に繰り越されます。
例えば、データ容量15GBのプランで当月に10GBを使用した場合、余った5GBは繰り越されて、翌月は20GB(15GB+5GB)を使用することができるのです。
なお、繰り越しされるのは翌月までで、翌々月には消滅します。
低速時の通信速度
低速時とは通常の高速データ通信に対して速度制限がかかった状態のことですが、データ通信量が各プランのデータ容量を超過した場合や、節約モードを使用しているときにこの状態になります。
注目したいのは「くりこしプランM」「くりこしプランL」で、低速時であっても最大1Mbpsでのデータ通信が可能となっています。
プラン | 低速時の通信速度 |
くりこしプランS | 最大300Kbps |
くりこしプランM | 最大1Mbps |
くりこしプランL | 最大1Mbps |
最大1Mbpsであれば、TwitterやLINEといったSNSなどではそれほどストレスなく利用することが可能。動画も画質を落とせば問題なく視聴することができます。
また、後述する節約モードでも最大1Mbpsでデータ通信を行うことができるのですが、この「節約モード×最大1Mbps」という組み合わせを持っている格安SIMはほとんどなく、UQモバイルの「くりこしプランM」「くりこしプランL」において大きなメリットとなっています。
節約モード・高速モードが切替できる
UQモバイルでは「高速モード」と「節約モード」を自由に切り替えることができます。「高速モード」は通常の高速データ通信(最大225Mbps)が可能な状態。これに対して「節約モード」は通信速度に制限をかけた低速データ通信の状態です。
「節約モード」に切り替えると、データ通信が低速になる代わりにどれだけ使ってもデータ容量を消費することがない、というメリットがあります。
前述でも触れましたが、ここで注目なのが「くりこしプランM」「くりこしプランL」では、低速時であっても最大1Mbpsでのデータ通信が可能ということです。
プラン | 低速時の通信速度 |
くりこしプランS | 最大300Kbps |
くりこしプランM | 最大1Mbps |
くりこしプランL | 最大1Mbps |
「くりこしプランS」では低速時の通信速度が最大300Kbpsなのですが、これは正直ネット接続を利用していてストレスを感じてしまいます。
しかし最大1Mbpsであれば高画質で動画を試聴するなどしない限りはほとんどストレスなくデータ通信を行うことができるのです。
つまり日頃から「節約モード」にしておいて、どうしても必要なときだけ「高速モード」で利用する、といった使い方をすればデータ容量をほぼ消費することがないので、UQモバイルにおける「節約モード・高速モード切替」はかなり使える機能なのです。
通話について
基本サービス
「くりこしプラン」は音声通話+データ通信の料金プラン、つまりデータ通信に加えて電話の機能が利用できます。通話の基本的なサービス内容は以下のようになっています。
■通話料
22円/30秒
■通話エリア
au 4G LTEサービスエリア
オプションサービス
UQモバイルには、いくつかの通話オプションが用意されているので、電話をかける機会が多いという人は利用すると通話料を安くすることができる可能性があります。
■通信パック(60分/月)
月額料金:550円
内容:最大60分/月の国内通話が定額。
■かけ放題(10分/回)
月額料金:770円
内容:国内通話が10分かけ放題。
■かけ放題(24時間いつでも)
月額料金:1,870円
内容:国内通話がかけ放題。
■通話明細サービス
月額料金:110円
内容:my UQ mobileで通話明細/通信明細の閲覧が可能。
■電話基本パック
月額料金:418円
内容:留守番電話サービス、三者通話サービス、迷惑電話撃退サービスのパック。
■着信転送サービス
月額料金:無料
内容:電話がかかってきたときに登録した別の電話に転送するサービス。
■割込通話サービス
月額料金:220円
内容:通話中に別の電話がかかってきたときに、現在通話中の電話を一旦保留にして、 あとからかかってきた電話に出ることが可能。
■番号通知リクエストサービス
月額料金:無料
内容:電話番号が非通知でかかってきた電話に対して、番号を通知してかけ直すようガイダンスするサービス。
通信速度について
UQモバイルの通信速度について見てみましょう。通信速度については「みんなのネット回線速度」という、携帯キャリアや光回線の速度比較が出来るサイトの情報を参考にしてみます。
参考:みんなのネット回線速度(https://minsoku.net)
※「みんなのネット回線速度」にて直近3ヶ月に計測されたUQモバイルの測定結果からの平均値を参照。(2021年4月5日現在)
※「みんなのネット回線速度」における測定結果は、通信環境や時期によって結果が変わってくるので、内容についてはあくまで参考程度としてください。
下記はUQモバイルの時間帯別の平均速度です。
※みんなのネット回線速度(https://minsoku.net/speeds/mvno/services/uq-mobile)より引用
サブブランドだけあってどの時間帯でも通信速度の低下は見られず、終日快適なデータ通信が可能であることが分かるのではないでしょうか。
時間帯 | 下り | 上り |
朝 | 54.38Mbps | 9.59Mbps |
昼 | 34.72Mbps | 9.28Mbps |
夕方 | 38.3Mbps | 8.87Mbps |
夜 | 38.23Mbps | 8.17Mbps |
深夜 | 54.84Mbps | 37.64Mbps |
ネットでの評判も見ておきましょう。
Twitterで「UQモバイル」で検索してみたところ、通信速度に関しては好印象のツイートが多くみられます。
そもそもUQモバイルはKDDIのサブブランドとなる以前から通信速度についてはかなり評判が高かったのです。当時すでにサブブランドであったY!mobileと比べても遜色ないか、或いはそれ以上ではないか、という声もあったほど。
そのUQモバイルがサブブランドになったことで、通信速度やサービスについてはますます品質が向上するのではないかという意見もあります。
UQモバイルのメリット・デメリット
最後にUQモバイルのメリット・デメリットをまとめてみました。それぞれをよく把握したうえで、自分の使い方にはメリットの方が多いのか、デメリットの方が多いのか、を検討してみるといいですね。
メリット
UQモバイルのメリットとしては以下のような点があげられます。
- 通信速度が安定している。
- 低速時でも最大1Mbps(M・Lの場合)。
- 節約モード/高速モードの切り替えが可能。
- 節約モード×最大1Mbpsの組み合わせ(M・Lの場合)。
- 実店舗でのサポートあり。
デメリット
- 他の格安SIMに比べると月額料金がやや高い。
- au回線しか選べない。