格安SIMにもいろんな選択肢がありますが、その中でも「mineo(マイネオ)」はシェア上位キープしている比較的人気の高い格安SIMです。テレビCMも流れているので見たことがあるという人もいるかもしれませんね。
「mineo(マイネオ)」は2021年2月に、新しい料金プラン「マイピタ」の提供を開始。月額料金がこれまでより大幅に値下げされ注目を集めています。
目次
mineo(マイネオ)とは?
「mineo(マイネオ)」は、関西電力グループのオプテージ(OPTAGE)が提供している格安SIMです。イメージキャラクターとして葵わかなさんが起用されています。
大手通信キャリアを利用している人にとっては、あまり馴染みのない名前かもしれませんが「楽天モバイル(MVNO)」を除くと、MVNOの中ではトップのシェアを誇る(※1)人気の格安SIMなんですよ。
※1 MMD研究所の「2021年3月 通信サービスの利用動向調査」による
mineoの料金プラン「マイピタ」
「mineo(マイネオ)」では「マイピタ」という料金プランが提供されています。
「マイピタ」には「デュアルタイプ」と「シングルタイプ」の2種類があって、それぞれ「音声通話+データ通信」「データ通信のみ」とサービス内容が異なっています。
電話もネットも利用するのであれば「デュアルタイプ」を選ぶことになりますね。
■デュアルタイプ
電話(音声通話)とデータ通信(ネット接続)の利用ができる。
■シングルタイプ
データ通信(ネット接続)のみ利用ができる。電話(音声通話)はできない。
マイピタの月額料金
「マイピタ」は「デュアルタイプ」「シングルタイプ」ともに1GB、5GB、10GB、20GBの4種類のデータ容量から選ぶことができ、それぞれの月額料金は以下のようになっています。
データ容量 | デュアルタイプ | シングルタイプ |
1GB | 1,298円 | 880円 |
5GB | 1,518円 | 1,265円 |
10GB | 1,958円 | 1,705円 |
20GB | 2,178円 | 1,925円 |
ドコモ、au、ソフトバンク回線に対応
「mineo(マイネオ)」はドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線の3回線全てに対応しています。「マイピタ」を契約する場合は3回線のいずれかを選ぶことになります。
3回線に対応しているというのは大きなメリットがあります。ドコモ、au、ソフトバンクから乗り換える場合、対応する回線を選べば、使っているスマホをSIMロック解除することなくそのまま「mineo(マイネオ)」でも利用することができるのです。
大手通信キャリアから格安SIMにのりかえをする場合、のりかえ先の格安SIMが採用しいてる回線によってはスマホのSIMロック解除が必要になります。
例えば下図のようにソフトバンクからのりかえる場合、のりかえ先の格安SIMがドコモ回線のみだとソフトバンクのスマホをそのまま利用するにはSIMロック解除しなければなりません。
しかし「mineo(マイネオ)」ではドコモ、au、ソフトバンクの3回線に対応しているので、ソフトバンク回線を選ぶことでSIMロック解除することなくソフトバンクのスマホをそのまま使うことができるのです。
※機種によっては同じ回線でもSIMロック解除が必要な場合があります。
最低利用期間・契約解除料はなし
スマホには、いわゆる「〇〇縛り」といった最低利用期間が設けられている場合がありますが「マイピタ」には設定されていません。
また、解約時に違約金や解約清算金のような費用が発生することもありません。(MNP転出の場合はMNP転出手数料3,300円が必要です。)
余ったデータ容量は翌月に繰り越し
各料金プランに定められたデータ容量(mineo(マイネオ)では「パケット」と呼んでいる)を当月に使い切れなかった場合、余ったデータ容量は翌月に繰り越されます。
例えば、データ容量5GBのプランで当月に3GBを使用した場合、余った2GBは繰り越されて、翌月は7GB(5GB+2GB)を使用することができます。
なお、繰り越されるのは翌月までで、翌々月には消滅します。
5Gは有料オプション
mineo(マイネオ)は5Gサービスを提供しているので5G対応のスマホを持っていればで5Gサービスを利用することができるのですが、月額220円の有料オプションとなっています。
通話について
基本サービス
「マイピタ」でデュアルタイプを選ぶと音声通話、つまり電話の機能が利用できます。通話の基本的なサービス内容は以下のようになっています。
22円/30秒
■Aプラン(au回線)
au 4G LTEサービスエリア
■Dプラン(ドコモ回線)
Xi(クロッシィ)およびFOMA相当
■Sプラン(ソフトバンク回線)
SoftBank 3Gエリア
SoftBank 4G LTEエリア
オプションサービス
mineo(マイネオ)には、さまざまな通話オプションが用意されているので、電話をかける機会が多いという人は利用すると通話料を安くすることができる可能性があります。
■mineoでんわ(月額料金:無料)
mineo(マイネオ)では、無料で使用することができる「mineoでんわ」アプリを使って電話をすると通話料が半額の10円/30秒となります。
■通常時の通話料
22円/30秒
■mineoでんわ使用時の通話料
10円/30秒
■mineoでんわ 10分かけ放題(月額料金:935円)
「mineoでんわ」アプリを使って電話をすることで、10分以内の通話なら誰とでも何度でもかけ放題になります。
■通話定額30(月額料金:924円)
「通話定額30」オプションを利用すると月間最大30分間、定額(月額料金924円)で国内通話が利用できます。
オプションなしの場合、30分間の通話料金は1,320円なので、オプションを利用すると396円お得に電話をかけることができることになりますね。
■通話定額60(月額料金:1,848円)
「通話定額60」オプションを利用すると月間最大30分間、定額(月額料金1,848円)で国内通話が利用できます。
オプションなしの場合、60分間の通話料金は2,640円なので、オプションを利用すると792円お得に電話をかけることができることになりますね。
■LaLa Call(月額料金:110円)
ケイ・オプティコムが提供するIP電話サービス「LaLa Call」を利用すると、携帯電話への通話料が30秒8.8円、固定電話への通話料が3分8.8円、LaLa Call同士なら通話料無料と、通常の通話料より6割以上安くなります。
「LaLa Call」の利用には月額110円が必要ですが、mineo(マイネオ)ユーザーであれば毎月110円分 (月額基本料相当)の無料通話が付いてくるので、実質無料で使用することができるのです。
■その他のオプション
上記の他にも以下のような通話に関するオプションが用意されています。
オプション | 月額料金 |
スマート留守電 | 319円 |
三者通話サービス | 220円 |
グループ通話 | 220円 |
迷惑電話撃退サービス | 110円 |
迷惑電話ストップサービス | 無料 |
ナンバーブロック | 110円 |
着信転送サービス | 無料 |
転送電話サービス(Dプラン) | 無料 |
転送電話サービス(Sプラン) | 無料 |
割込通話サービス(Aプラン) | 無料 |
割込通話サービス(Dプラン) | 220円 |
割込通話 | 220円 |
番号通知リクエストサービス | 無料 |
番号通知お願いサービス | 無料 |
留守番電話 | 無料 |
国際電話・海外での電話 | プラン・タイプにより変動 |
通信速度について
mineo(マイネオ)の通信速度について見てみましょう。通信速度については「みんなのネット回線速度」という、携帯キャリアや光回線の速度比較が出来るサイトの情報を参考にしてみます。
参考:みんなのネット回線速度(https://minsoku.net)
※「みんなのネット回線速度」にて直近3ヶ月に計測されたmineo(マイネオ)の測定結果からの平均値を参照。(2021年3月29日現在)
※「みんなのネット回線速度」における測定結果は、通信環境や時期によって結果が変わってくるので、内容についてはあくまで参考程度としてください。
下記はmineo(マイネオ)の回線別(ドコモ回線、au回線、ソフトバンク回線)の平均速度(下り)です。
※みんなのネット回線速度(https://minsoku.net/speeds/mvno/services/mineo)より引用
これを見るとソフトバンク回線は他の2回線に比べてやや通信速度が遅くなっている印象ですね。
回線 | 通信速度(下り) |
ドコモ回線 | 38.91Mbps |
au回線 | 28.33Mbps |
ソフトバンク回線 | 18.07Mbps |
下記は時間帯別の平均速度です。
※みんなのネット回線速度(https://minsoku.net/speeds/mvno/services/mineo)より引用
昼の時間帯だけ極端に通信速度(下り)が遅くなっているのが分かります。利用者の多い時間帯に通信が混雑して回線速度が低下しているのではないかと予想されます。
時間帯 | 下り | 上り |
朝 | 36.93Mbps | 11.28Mbps |
昼 | 6.64Mbps | 8.64Mbps |
夕方 | 21.68Mbps | 7.03Mbps |
夜 | 35.82Mbps | 9.47Mbps |
深夜 | 74.34Mbps | 14.45Mbps |
ネットでの評判も見ておきましょう。
Twitterで「mineo」「速度」で検索してみたところ、好印象のツイートも見られますが・・・
以下のように通信速度に不満とみられるツイートがやや目立ちます。特に昼の時間帯に通信速度の低下を感じる投稿が顕著という点では、上述の「みんなのネット回線速度」の測定結果を裏付けることになっているのではないでしょうか。
とは言え、SNSへの投稿はどちらかというとネガティブな場合が多いと思われるので、一概に決めつけるわけにもいきません。当然、不満なく利用しているユーザーも多くいるだろうと思いますので、あくまで参考としておくとよいですね。
mineoの独自サービス
mineo(マイネオ)には、ユーザー同士で余ったデータ容量をシェアしたり、快適なデータ通信を保つために特定の時間帯の利用を控えたりといった、独特なサービスを提供しています。
フリータンク
「フリータンク」とは、mineo(マイネオ)ユーザー全員の余ったデータ容量を入れておく大きなタンクのようなものと捉えて、データ容量を必要とするユーザーが自由にこのタンクから利用することができるというシステムです。
パケットギフト
「パケットギフト」とは、自身の余ったデータ通信量を他のmineo(マイネオ)ユーザーにギフトとして贈ることができるというサービス。
余ったデータ通信量を分け合うことができるので、無駄なくデータ通信を使うことができます。
パケットシェア
「パケットシェア」とは、当月中に使い切れなかったデータ容量(パケットチャージ容量なども含む)を翌月に繰り越したうえで、そのデータ容量を最大10回線でシェアすることができるサービス。
同一グループ内のメンバーの余ったデータ容量を翌月に繰り越し、メンバー全員がその繰り越したデータ容量を分け合うことができるのです。
この「パケットシェア」の特徴は「グループの定義」。リーダー(パケットシェアを申し込む代表契約者)を決めてシェアするメンバーを登録することでグループが作成されるというシステムです。
家族間でデータ容量を分け合う、といったサービスは他の格安SIMでも見られますが、mineo(マイネオ)の「パケットシェア」の場合は友達でも、もちろん家族でもグループとして登録可能という自由度が独特なのです。
ゆずるね。
「ゆずるね。」は直接データ容量をやり取りする仕組みではなく、mineo(マイネオ)のユーザーが協力して、比較的混雑する平日昼間の時間帯のデータ通信をゆずり合うことで混雑を緩和するというサービス。
「ゆずるね。」を利用する流れは以下の通りです。
- 毎日11時30分までに「ゆずるね。」宣言。
- 12時〜13時の時間帯のデータ通信を控える。
- データ通信量が一定基準内であれば達成。
前月21日~当月20日の期間の達成回数がカウントされ、当月20日時点での達成回数に応じて特典を受け取ることができます。
混雑も緩和されるし、特典も貰えることができて一石二鳥のサービスですね。
mineoのメリット・デメリット
最後にmineo(マイネオ)のメリット・デメリットをまとめてみました。それぞれをよく把握したうえで、自分の使い方にはメリットの方が多いのか、デメリットの方が多いのか、を検討してみるといいですね。
メリット
mineo(マイネオ)のメリットとしては以下のような点があげられます。
- 月額料金が断トツで安い。
- ドコモ、au、ソフトバンクの回線が選べる。
- 余ったデータ容量は翌月に繰り越せる。
- 最低利用期間、解約料がない。
- 独自のデータ容量シェア、混雑回避サービスがある。
- 専用アプリを使うと通話料が半額。
デメリット
- 混雑時は通信速度が遅くなることがある。
- 5Gは有料オプション。