ソフトバンクが提供するオンライン専用ブランド「LINEMO」。店名からピンときた人もいると思いますが、ソフトバンクが「LINEモバイル」を吸収合併した後、その後継となるブランドとしてサービスを開始したのが「LINEMO」です。
当然ながらメッセンジャーアプリである「LINE」との親和性が高く、双方が連携することによりさまざまなサービスを提供しています。
というわけでここでは「LINEMO」の料金プランや特徴、メリット・デメリットなどを詳しく見ていきたいと思います。
目次
LINEMOとは?
「LINEMO」はソフトバンクが2021年3月17日から提供開始したオンライン専用のブランド。メインブランドの「ソフトバンク」やサブブランドの「Y!mobile」と違って、申し込みやサポートなどは基本的にオンラインのみでの対応となっています。
そのかわり利用料金を抑えて、安定感のあるソフトバンク回線を使用したデータ通信を可能としながらシンプルで安価な料金で利用できるといった特徴があります。
月額料金や諸費用について
月額料金
「LINEMO」の料金プランは「ミニプラン」と「スマホプラン」の2つ。それぞれ月間のデータ容量が3GB(990円/月)と20GB(2,728円/月)となっています。
ある程度余裕を持って使い人は「スマホプラン」、それほどたくさん使わないので安い方がよいという人は「ミニプラン」を選ぶとよいですね。特に「ミニプラン」はソフトバンクと同様の品質のデータ通信が利用できて月額料金が1,000円を切るというのは魅力です。
ミニプラン | スマホプラン | |
データ容量 | 3GB | 20GB |
月額料金 | 990円 | 2,728円 |
容量超過後の通信速度 | 300kbps | 1Mbps |
eSIM | 対応 | 対応 |
LINEギガフリー | 対応 | 対応 |
下記はサブブランドも含めた格安SIM各社の料金プランにおいて、データ容量別の月額料金の一覧をまとめた記事です。「LINEMO」の月額料金が他社と比較してどの程度なのかというのが分かるかと思いますので参考にしてください。
諸費用について
初期費用
「LINEMO」では新規契約にかかる手数料は一切発生しません。
Q:手続きに必要な事務手数料について教えてください。
よくあるご質問(LINEMO)より引用
A:新規契約、乗り換えなど、各種お手続きの際は一切手数料がかかりません。
■新規契約手数料
なし
■SIMカード発行手数料
なし
解約時にかかる費用
「LINEMO」では、いわゆる「○年縛り」といった「最低利用期間」は設定されていません。そのため「解約解除料」もなく、また他社への乗り換え(MNP転出)する際において「MNP転出手数料」も不要です。
「スマホプラン」「ミニプラン」は契約期間を伴わないプランのため、契約解除料はかかりません。
よくあるご質問(LINEMO)より引用
■最低利用期間
なし
■解約事務手数料
なし
■MNP転出手数料
なし
データチャージ
多くの格安SIMでは、料金プランにおける月間のデータ容量を使い切っても「データチャージ」を行うことでデータ容量の残量をチャージ(増量)することが可能。
「LINEMO」も1GBを550円(税込)で追加購入してチャージすることができます。
1GB:550円
使用している回線について
ソフトバンクのブランドである「LINEMO」は当然ながらソフトバンクの回線を使用してデータ通信サービスを提供しています。
その為、ドコモ、auなど大手通信キャリアによってSIMロックがかかったスマートフォンで「ソフトバンク」に乗り換える場合にはSIMロック解除が必須となります。
ソフトバンク、ワイモバイルで販売されているスマートフォンをそのままLINEMOで利用する場合、基本的にSIMロック解除は不要です。
※ただし、条件によってSIMロック解除が必要なケースあり。詳細は下記より。
参考:SIMロック解除方法(【公式】LINEMO)
例えば下図のようにソフトバンク(或いはY!mobile)のスマホを使用して「LINEMO」に乗り換える場合はSIMロック解除は不要です。
※ただし、条件によってSIMロック解除が必要なケースあり。
逆にドコモ、auのスマホを利用して「LINEMO」に乗り換える場合はSIMロック解除を行う必要があります。
料金プランの特徴
データ容量の繰り越し
「データ容量の繰り越し」とは、月間のデータ通信量が規定のデータ容量に満たなかった場合、余ったデータ容量を次月に繰り越すことができるというサービス。
現在、多くの格安SIMではこのサービスを提供していますが、残念ながら「LINEMO」では「データ容量の繰り越し」は提供されていません。
Q:余ったデータ通信量を翌月にくりこすことはできますか?
よくあるご質問(LINEMO)より引用
A:余ったデータ通信量を翌月へくりこすことはできません。
データ容量超過時の通信速度
「スマホプラン」「ミニプラン」ともに当月のデータ容量を使い切った場合、通信速度に制限がかかります。制限下での通信速度は料金プランによって異なり以下のように定められています。
料金プラン | データ容量超過時の通信速度 |
スマホプラン | 最大300Kbps |
ミニプラン | 最大1Mbps |
「ミニプラン」では速度制限により最大300kbpsとなりますが「スマホプラン」では速度制限下であっても最大1Mbpsの通信速度でデータ通信を利用することができます。
「ミニプラン」の最大300kbpsというのはデータ通信を行うにはややストレスを感じてしまうと言わざるを得ません。しかし「スマホプラン」では最大1Mbpsとされているので、よほどデータ通信量を必要とする使い方をしなければかなり快適に利用することができるでしょう。
節約モード・高速モードの切替は不可
格安SIMの中には「高速モード⇔低速モード」といった具合にデータ通信における通信速度を切り替えることができる機能を提供しているブランドもあります。
この機能は「低速モード」でのデータ通信は通信速度に制限をかける代わりにデータ容量を一切消費しないというもの。一般的に「節約モード」などとも呼ばれてます。
SNSなどあまりデータ通信量を必要としない場合は「低速モード」に切り替えることでデータ容量の消費を抑えることができるというわけです。
しかし「LINEMO」では残念ながら「高速モード⇔低速モード」の切替ができる機能は提供されていません。常に高速でのデータ通信となり「スマホプラン」では20GB、「ミニプラン」では3GBのデータ容量を超過することで通信速度に規制がかかり低速でのデータ通信となります。
LINEギガフリー
「LINEMO」の大きな特徴の1つが「LINEギガフリー」。「LINEモバイル」を吸収合併してスタートしたブランドだけにLINEとの親和性が高いのは当然と言えば当然ですね。
「LINEギガフリー」とは「LINE」アプリのトーク、音声通話、ビデオ電話などをデータ容量を消費せずに利用することができるサービス。「スマホプラン」「ミニプラン」のいずれにも対応しています。
※ 一部「LINEギガフリー」の対象外の機能あり(トークでの位置情報の共有、Liveの利用、スタンプショップの利用、ニュース記事の閲覧など)。
例えばデータ容量の残量がゼロだとしても「LINE」アプリは速度制限の影響を受けることなく高速データ通信で利用できるということです。
LINE連携
前述の「LINEギガフリー」以外にも「LINE」との連携によるサービスが充実しています。「LINE」を利用した機能として以下のようなサービスが提供されています。
- 請求金額の確認
- 契約内容の確認
- データ量の確認
- データ量の追加購入
- 問い合わせ
PayPayとの連携が可能
「LINEMO」はソフトバンクとヤフーの合弁会社が運営する「PayPay」との連携も可能。「PayPay」へのチャージ代金を「LINEMO」の利用料金と合わせて支払いを行うことが可能。そのため「PayPay」で銀行口座やクレジットカードを登録することなくチャージすることができます。
海外でのデータ通信も可
4大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)や、そのサブブランドでは海外でもデータ通信を行うことができる「国際ローミングサービス」を提供しています(一部利用できないブランドもある)。
ソフトバンクのブランドである「LINEMO」も「国際ローミング」を利用した海外(200以上の国・地域)でのデータ通信が可能です。
ソフトバンクでは「海外パケットし放題」という国際ローミングサービスが提供されています。利用料金は以下の通りです。
■料金(1日あたり)
25MBまで:0円~1,980円
25MB以上:2,980円
「海外パケットし放題」の利用料金はやや割高。複数人でテザリングして利用(料金はシェア)するならともかく、1人で利用するのはちょっと考え物です。レンタルwifeやプリペイドSIMなど、別の手段を検討する方がよいかもしれません。
オプション・特典など
通話オプション
「LINEMO」では音声通話向けに「通話準定額」「通話定額」の2種類の定額オプションを提供しています。
■通話準定額
月額料金:550円
内容:5分/回以内の国内通話が無料。
■通話定額
月額料金:1,650円
内容:国内通話が無料。
自分の通話の利用状況を把握してオプションを付けた方が得かどうか検討してみるとよいですね。
持込端末保証 with AppleCare Services
「LINEMO」ではSIM単体契約者向けにiPhoneの修理代金の割引や交換などのサービスを受けることができるオプションを提供しています。
「持込端末保証 with AppleCare Services」の詳細については以下の通り。
■対象機種
iPhone
※正規店で購入したiPhoneが対象。
※「iPhone 6s」以前の機種は対象外。
■月額料金
対象機種 | 料金 |
iPhone 13 Pro Max iPhone 13 Pro iPhone 12 Pro Max iPhone 12 Pro iPhone 11 Pro Max iPhone 11 Pro iPhone XS Max iPhone XS iPhone X |
1,250円 |
iPhone 13 iPhone 13 mini iPhone 12 iPhone 12 mini iPhone 11 iPhone XR iPhone 8 Plus iPhone 7 Plus iPhone 8 iPhone 7 iPhone SE(第1/第2/第3世代) |
950円 |
■修理サービスの利用者負担額
対象機種 | 料金 |
自然故障(バッテリー交換含む)※1 | 無料 |
画面修理 | 950円 |
背面ガラスの修理 | 3,700円 ※2 |
画面修理 + 背面ガラスの修理 | 7,400円 ※2 |
その他の損傷に対する修理 | 12,900円 |
※1 保持容量が本来の容量の80%未満になった場合。
※2 「背面ガラスの修理」及び「画面修理 + 背面ガラスの修理」は「iPhone 12」及び「iPhone 13」のモデルに限る。
通信速度について
「LINEMO」の通信速度について調べてみましょう。通信速度に関する情報は「みんなのネット回線速度」という、携帯キャリアや光回線の通信速度比較が出来るサイトの情報を参考にしてみます。
参考:みんなのネット回線速度(https://minsoku.net)
※「みんなのネット回線速度」にて直近3ヶ月に計測された「LINEMO」の測定結果からの平均値を参照。(2022年3月22日現在)
※「みんなのネット回線速度」における測定結果は、通信環境や時期によって結果が変わってくるので、内容についてはあくまで参考程度としてください。
下記は「LINEMO」の時間帯別の平均速度です。
※みんなのネット回線速度(https://minsoku.net/speeds/mobile_major_carrier/services/linemo)より引用
「LINEMO」はソフトバンクのブランドなので通信の品質はソフトバンクと同等、なのですがソフトバンクの通信速度と比べると若干劣っているのがちょっと気になるところ・・・。
とはいえ1日通してある程度安定した通信速度を保っていることは見ての通りでしょう。
時間帯 | 下り | 上り |
朝 | 85.17Mbps | 15.19Mbps |
昼 | 35.69Mbps | 15.03Mbps |
夕方 | 52.0Mbps | 10.94Mbps |
夜 | 51.58Mbps | 19.33Mbps |
深夜 | 62.45Mbps | 15.46Mbps |
キャンペーンなど
PayPayボーナスあげちゃう キャンペーン
「LINEMO」では「スマホプラン」の契約において、他社からの乗り換えの場合「PayPayボーナス10,000円相当」、新規契約の場合「PayPayボーナス3,000円相当」をプレゼントするキャンペーンを実施しています。
適用条件などキャンペーンの詳細は以下の通りです。
■キャンペーン期間
2021年6月5日(土)~ 終了時期未定
■適用条件
- ①②の条件を全て満たすこと。
①対象期間中に「LINEMO」の「スマホプラン」に新規契約、または乗り換えで申し込み「LINEMO」の利用を開始すること。
②対象プランの開通日が属する月の4ヶ月後(特典付与対象判定月)に申込時点の料金プランと同一の料金プランであること。
■特典内容
「スマホプラン」契約でPayPayボーナスプレゼント
他社からの乗り換え:PayPayボーナス10,000円相当
新しい番号で契約:PayPayボーナス3,000円相当
※2022年1月14日時点
通話オプション割引キャンペーン
「LINEMO」では通話オプション「通話準定額」「通話定額」が1年間割引きで利用できるキャンペーンを実施しています。
5分以内の国内通話が無料になる通話オプション「通話準定額」(税込550円/月)※1がLINEMO契約から1年後まで無料※2で利用できます。 また、通話時間・回数ともに無制限で、国内通話がかけ放題になる通話オプション「通話定額」(税込1,650円/月)※1は、LINEMO契約から1年後まで月額1,100円(税込)で利用できます。
■キャンペーン期間
2021年3月17日(水)~ 終了時期未定
■適用条件
受付期間内に「LINEMO」へ新規契約、他社からの乗り換え(MNP)、ソフトバンクまたはY!mobileからの乗り換えで契約すること。
■特典内容
「通話準定額」「通話定額」の月額料金が、契約月を1ヶ月目として13ヶ月間割引き価格で利用可能。
※契約当月の割引額は日割り。
通話準定額:550円/月 ⇒ 無料
通話定額:1,650円/月 ⇒ 1,100円/月
メリット・デメリット
最後に「LINEMO」のメリット・デメリットをまとめてみました。それぞれをよく把握したうえで、自分の使い方にはメリットの方が多いのか、それともデメリットの方が多いのかを検討してみるとよいですね。
「LINEMO」のメリットとしては以下のような点があげられます。
- ソフトバンクと同等の品質のデータ通信が可能。
- ソフトバンクに比べて月額料金がかなり安い。
- 「スマホプラン」の場合、容量超過後も最大1Mbpsの通信速度。
- LINEがデータ容量の消費なしで利用できる。
PayPayとの連携あり。
「LINEMO」のデメリットとしては以下のような点があげられます。
- 格安SIMに比べるとやや利用料金が高い。
- 節約モード/高速モードの切り替えができない。
余ったデータ容量の繰り越しができない。 - 手続きやサポートは基本的にオンラインのみ。
国際ローミングの料金が高い。