現在ではさまざまな格安SIMサービスがありますが「BIGLOBEモバイル」もその内の1つ。「BIGLOBE」といえばインターネットサービスプロバイダとして有名ですが、名前を聞いた事があるという人は多いのではないでしょうか。
「BIGLOBEモバイル」はリーズナブルな月額料金に加え、特定の動画・音楽配信サービスのデータ通信量が無制限となるオプションなど魅力のあるサービスを展開しています。
目次
BIGLOBEモバイルとは?
「BIGLOBEモバイル」はインターネットサービスプロバイダの「ビッグローブ株式会社」が運営する格安SIMです。もともとはドコモ回線を使用した「BIGLOBE SIM(BIGLOBEスマホ)」という名前だったのですが、2017年10月にKDDIグループに加入して、現在ではドコモ回線に加えてau回線にも対応しています。
MMD研究所の「2020年3月格安SIMサービスの利用動向調査」によると格安SIMでは「楽天モバイル」「UQ mobile」「mineo」「OCNモバイルONE」「IIJmio」に次いでシェア第6位。MNOの「楽天モバイル」とサブブランドの「UQ mobile」を除くと第4位なので、比較的人気のある格安SIMと言えるでしょう。
BIGLOBEモバイルの料金プラン
BIGLOBEモバイルでは「音声通話SIM」と「データSIM」の2種類の料金プランを提供していて、それぞれ利用できるサービス内容(音声通話、SMS送受信、データ通信)が異なっています。
電話もネットも利用するのであれば「音声通話SIM」を選ぶことになりますね。
■音声通話SIM
音声通話、SMS、データ通信が利用可能。
■データSIM
データ通信のみで音声通話は利用不可。SMS機能付きとデータ通信専用から選べる。
月額料金
BIGLOBEモバイルの料金プランの月額料金は以下のようになっています。
データ容量 | 音声通話SIM | データSIM | |
SMS機能付き | データ通信専用 | ||
1GB | 1,078円 | - | - |
3GB | 1,320円 | 1,122円 | 990円 |
6GB | 1,870円 | 1,727円 | 1,595円 |
12GB | 3,740円 | 3,102円 | 2,970円 |
20GB | 5,720円 | 5,082円 | 4,950円 |
30GB | 8,195円 | 7,557円 | 7,425円 |
「音声通話SIM」は1GB、3GB、6GB、12GB、20GB、30GBの6種類のデータ容量から、「データSIM」は3GB、6GB、12GB、20GB、30GBの5種類のデータ容量から選ぶことができます。
BIGLOBEモバイルは2021年2月に1GB、3GB、6GBのデータ容量の月額料金の見直しを行いましたが、他の格安SIMと比べるとやや高めの料金設定になっています。
下記は格安SIM各社の料金プランにおいて、データ容量別の月額料金の一覧をまとめた記事です。
ドコモ回線、au回線に対応
「BIGLOBEモバイル」はドコモ回線、au回線に対応していて、料金プランを契約する場合はどちらかを選ぶことになります。
ドコモ、au、ソフトバンクなど大手通信キャリアのスマホをそのまま使って格安SIMに乗り換えする場合、乗り換え先の格安SIMが採用しいてる回線が、自分の持っているスマホに対応していればSIMロック解除の必要はありません。
例えば下図のようにドコモ、またはauのスマホを使用してBIGLOBEモバイルに乗り換えする場合、対応する回線を選ぶことでSIMロック解除は不要となります。
※機種によっては同じ回線でもSIMロック解除が必要な場合がある。
逆にソフトバンクのスマホを利用して乗換えする場合、BIGLOBEモバイルはソフトバンク回線に対応していない為SIMロック解除を行う必要があります。
最低利用期間・契約解除料について
BIGLOBEモバイルの「音声通話SIM」は、に下記のように最低利用期間・契約解除料が設定されています。「データSIM」の場合は最低利用期間が設定されていないので、どのタイミングで解約しても契約解除料は発生しません。
■音声通話SIM
サービス開始月の翌月を1ヶ月目として12ヶ月目までが最低利用期間。最低利用期間内に解約した場合は契約解除料1,000円が発生する。
■データSIM
最低利用期間・契約解除料はない。
また、他社へ乗り換える際に発生するMNP転出手数料はBIGLOBEモバイルでは無料となっています。
余ったデータ容量は翌月に繰り越し
BIGLOBEモバイルでは、各料金プランに定められたデータ容量を当月に使い切れなかった場合、余ったデータ容量は自動的に翌月に繰り越されます。
※1GBのプランのみ余ったデータ通信容量を繰り越すことはできない。
翌月に繰り越せるデータ容量の最大量は、利用している料金プランの月間のデータ容量と同量。例えば10GBのプランであれば、最大10GBまでを翌月に繰り越すことができます。
シェアSIM
BIGLOBEモバイルでは、1つの料金プランにおいて複数SIMでデータ容量を分け合うことができる「シェアSIM」を利用することができます。
例えば20GBの料金プランを主契約として、さらに2枚(2人)のSIMを追加。合計3枚(3人)のSIMで20GBのデータ容量を使用する、といった使い方が可能です。
追加したSIMの分の月額料金はかなり安くなっているので、20GBの料金プランを3人で安く利用することができます。
通話について
基本サービス
BIGLOBEモバイルの「音声通話SIM」を選ぶと音声通話、つまり電話の機能が利用できます。通話・SMSの基本的なサービス内容は以下のようになっています。
■国内通話料
22円/30秒
■国外通話料
国・地域により異なる。
■SMS送信料
※国内宛て
3.3~33円/回
※国外宛て
タイプA:100〜1,000円(不課税)/回
タイプD:50~500円(不課税)/回
オプションや割引きサービス
BIGLOBEモバイルには、さまざまな通話オプションやサービスが用意されているので、電話をかける機会が多いという人は利用すると通話料を安くすることができる可能性があります。
■BIGLOBEでんわ(月額料金:無料)
BIGLOBEモバイルでは、無料で使用することができる「BIGLOBEでんわ」アプリを使って電話をすると、電話番号そのままでスマホからの国内通話料が半額(11円/30秒)となります。
■通常時の通話料
22円/30秒
■BIGLOBEでんわ使用時の通話料
9.9円/30秒
■BIGLOBEでんわ 3分かけ放題(月額料金:660円)
「BIGLOBEでんわ」アプリからの発信で、3分以内の国内通話が何度でも可能。
■BIGLOBEでんわ 10分かけ放題(月額料金:913円)
「BIGLOBEでんわ」アプリからの発信で、10分以内の国内通話が何度でも可能。
■BIGLOBEでんわ 通話パック60(月額料金:660円)
「BIGLOBEでんわ」アプリからの発信で、最大60分(1,188円分)の国内通話が可能。
■BIGLOBEでんわ 通話パック90(月額料金:913円)
「BIGLOBEでんわ」アプリからの発信で、最大90分(1,782円分)の国内通話が可能。
通信速度について
BIGLOBEモバイルの通信速度について見てみましょう。通信速度については「みんなのネット回線速度」という、携帯キャリアや光回線の速度比較が出来るサイトの情報を参考にしてみます。
参考:みんなのネット回線速度(https://minsoku.net)
※「みんなのネット回線速度」にて直近3ヶ月に計測されたBIGLOBEモバイルの測定結果からの平均値を参照。(2021年5月14日現在)
※「みんなのネット回線速度」における測定結果は、通信環境や時期によって結果が変わってくるので、内容についてはあくまで参考程度としてください。
下記はBIGLOBEモバイルの時間帯別の平均速度です。
※みんなのネット回線速度(https://minsoku.net/speeds/mvno/services/biglobe-sim)より引用
1日通してそこまで安心感があるとは言い切れない通信速度。特に昼の時間帯の通信速度(下り)が他の時間帯に比べて、かなり低下しているのが分かります。利用者の多い時間帯に通信が混雑しているのではないかというのが予想できます。
時間帯 | 下り | 上り |
朝 | 25.18Mbps | 10.05Mbps |
昼 | 8.08Mbps | 7.68Mbps |
夕方 | 28.76Mbps | 8.78Mbps |
夜 | 24.32Mbps | 8.74Mbps |
深夜 | 38.29Mbps | 8.63Mbps |
ネットでの評判も見てみましょう。
Twitterで「BIGLOBEモバイル」「速度」で検索してみたところ、評価するツイートもあることはあるのですが・・・
以下のように通信速度に不満を持つツイートがかなり目立ちます。これは上述の「みんなのネット回線速度」の内容からもある程度予想できる結果といえるのではないでしょうか。
エンタメフリー・オプション
BIGLOBEモバイルのサービスで特徴的なのがこの「エンタメフリー・オプション」。
「エンタメフリー・オプション」は定額料金でデータ通信量の制限なく特定の動画や音楽を視聴することができるオプションサービス。つまり対象とされている動画や音楽配信サービスであれば、いくら視聴してもデータ容量を消費することがないというわけです。また、通信速度制限がかかっている場合でも対象サービスについては制限の対象外となっています。
このサービスが目的でBIGLOBEモバイルを利用しているという人も多いのではないでしょうか。
「エンタメフリー・オプション」の概要は以下の通り。
■音声通話SIM
308円/月(初回最大6ヶ月無料)
■データSIM
1,078円/月
■動画配信
- YouTube
- ABEMA
- U-NEXT
- YouTube Kids
■音楽・ラジオ配信
- YouTube Music
- Apple Music
- Spotify
- AWA
- Amazon Music
- LINE MUSIC
- radiko
- らじる★らじる
- dヒッツ
- RecMusic
- 楽天ミュージック
■電子書籍配信
- dマガジン
- dブック
- 楽天マガジン
- 楽天Kobo
■その他のアプリ
- Facebook Messenger
- au PAY マーケット
BIGLOBEモバイルのメリット・デメリット
最後にBIGLOBEモバイルのメリット・デメリットをまとめてみました。それぞれをよく把握したうえで、自分の使い方にはメリットの方が多いのか、デメリットの方が多いのか、を検討してみるといいですね。
メリット
BIGLOBEモバイルのメリットとしては以下のような点があげられます。
- ドコモ、auの回線が選べる。
- 余ったデータ容量は翌月に繰り越せる。
- MNP転出手数料が無料。
- 複数SIMでデータ容量を分け合うことができるシェアSIMがある。
- 専用アプリを使うと通話料が半額。
- エンタメフリー・オプションがある。
デメリット
BIGLOBEモバイルのデメリットとしては以下のような点があげられます。
- 他の格安SIMに比べると月額料金がやや高め。
- データ通信速度にやや不安あり。
- 最低利用期間内に解約した場合は契約解除料が発生する。
- 高速データ通信のON/OFFの切り替えができない。