KDDIのメインブランドとして知られる「au」は日本の4大キャリアの1つ。以前使っていたことがあるという人は多いのでは? 今でも使い続けているよ、という人ももちろんいるでしょうね。
格安SIMが普及した今では、安さを求めて「au」を含め「ドコモ」や「ソフトバンク」から他社へ乗り換えたというケースがよく見られると思います。しかし大手キャリアは格安SIMとは違うメリットを持っているというのもまた事実。
というわけでここでは「au」が提供する料金プランやサービスについて基本的な情報をまとめてみました。
目次
4大キャリア
自前の回線網や通信設備などを所有して、音声通話、データ通信といった通信サービスを提供している事業者のことを「通信キャリア」(単に「キャリア」、また「回線事業者」とも呼ばれる)と呼びます。代表的なところでは「NTT東日本」「NTT西日本」「KDDI」「ソフトバンク」また、ケーブルテレビ事業者などもこれに該当します。
このうち「NTTドコモ」「KDDI」「ソフトバンク」「楽天モバイル」の4社は携帯電話事業者において「4大キャリア」(「大手4キャリア」などとも呼ばれる)と呼ばれています。
auはこの「通信キャリア」である「KDDI」のメインブランドということですね。他にサブブランドとして「UQモバイル」、またオンライン専用ブランドの「povo」があります。
月額料金や諸費用について
料金プラン
auの料金プランは下記の通り。基本は「使い放題MAX 5G/4G」「ピタットプラン 5G/4G」の2つで、他は動画配信サービスなどとセットになった料金プランですね。
- 使い放題MAX 5G/4G
- 使い放題MAX 5G with Amazonプライム
- 使い放題MAX 5G/4G DAZNパック
- 使い放題MAX 5G/4G Netflixパック(P)
- 使い放題MAX 5G/4G テレビパック
- 使い放題MAX 5G ALL STARパック
- ピタットプラン 5G/4G
ここでは「使い放題MAX 5G/4G」「ピタットプラン 5G/4G」」の2つの料金プランについて詳しく見ていきたいと思います。
月額料金
「使い放題MAX 5G/4G」「ピタットプラン 5G/4G」それぞれの月額料金は以下のようになっています。
使い放題MAX 5G/4G | ピタットプラン 5G/4G | |
月額料金 | 7,238円 | 3,465円~6,765円 |
データ容量 | 無制限 | 7GB |
無料通話 | ※1 | ※1 |
超過データ料金 | - | ※2 |
国内通話料 | 22円/30秒 | 22円/30秒 |
※1 「家族割®」加入で家族間通話無料。
※2 「0.5GB:605円」「1GB:1,100円」「3GB:3,300円」「5GB:5,500円」
「使い放題MAX 5G」「使い放題MAX 4G」は月額料金やデータ容量などの内容は同じ。違いは、5G対応機種であれば「使い放題MAX 5G」、4G LTE対応機種であれば「使い放題MAX 4G」での契約となります。
やはり「格安SIM」の料金プランに比べるとauの料金プランは月額料金が高いという印象です。特に「使い放題MAX 5G/4G」はデータ容量無制限というだけあってかなり高額。自分が実際に必要とするデータ容量をちゃんと把握して選ぶことをおすすめします。
諸費用について
初期費用
auの初期費用は以下の通り。「契約事務手数料」は店頭、オンラインショップの何れも3,300円となっています。
■契約事務手数料
3,300円
■SIMカード発行手数料
なし
解約時にかかる費用
auでは「2年契約」「2年契約N」という割引サービスがあります。どちらも月額料金から一定額が割引きとなる代わりに2年間の契約期間が設定されています。
これらのサービスには「更新期間(満了月の当月、翌月、翌々月の3ヶ月間)」があり、この期間以外で解約をすると契約解除料が発生します。
※「2年契約」「2年契約N」ともに2022年3月31日(木)を以て「契約解除料」は廃止予定となっています。2022年4月以降も契約や割引は継続されますが、解約時に「契約解除料」は発生しません。
※また「2年契約」は2019年12月25日(水)を以て新規受付を終了しています。
契約期間なしで契約している場合は解約時に契約解除料が発生することはありません。
【契約期間なし】
■契約解除料
なし
■MNP転出手数料
なし
【2年契約】
■契約解除料(更新期間以外に解約した場合)
10,450円
※au加入年数11年目以降で「2年契約」と「家族割®(または「法人割」)」をセットで加入の場合、契約解除料は3,300円。
※2022年3月31日(木)を以て廃止。
■MNP転出手数料
なし
【2年契約N】
■契約解除料(更新期間以外に解約した場合)
1,100円
※2022年3月31日(木)を以て廃止。
■MNP転出手数料
なし
2022年4月以降、auの料金プラン「使い放題MAX 5G/4G」「ピタットプラン 5G/4G」はいずれもどのタイミングで解約しても契約解除料が発生することはありません。
また「MNP(Mobile Number Portability:携帯電話番号ポータビリティ)」を利用して他の携帯電話会社へ乗り換えする際に必要となる「MNP予約番号」取得時の「携帯電話番号ポータビリティ手数料」も無料となっています。
つまり2022年4月以降はauを解約する場合、或いはauから他社へ乗り換える場合において解約金、違約金などが発生することはありません。
データチャージ
格安SIMの多くでは料金プランにおける月間のデータ容量を使い切った場合「データチャージ」を行うことでデータ容量の残量をチャージ(増量)することができます。
auの「データチャージ」について、チャージ料金や有効期間などの詳細は以下の通り。
データ容量単位 | チャージ料金 | 有効期間 |
0.5GB | 605円 | 62日間 |
1GB | 1,100円 | 62日間 |
3GB | 3,300円 | 62日間 |
5GB | 5,500円 | 62日間 |
料金プランの特徴
データ容量の繰り越しは不可
格安SIMが一般的になったことで「データ容量の繰り越し」というサービスもよく知られるようになりました。
「データ容量の繰り越し」とは、料金プランで定められたデータ容量を当月に使い切れなかった場合、余ったデータ容量を翌月に繰り越すことができるサービスのことで、格安SIMでは採用しているケースがよくあります。
しかしauの料金プラン「使い放題MAX 5G/4G」「ピタットプラン 5G/4G」では「データ容量繰り越し」のサービスは提供されていません。
「使い放題MAX 5G/4G」はデータ容量無制限なので、そもそも「データ容量の繰り越し」の必要もありませんね。「ピタットプラン 5G/4G」についても従量制としてデータ容量7GBまでしか月額料金が設定されていません。その為、月が変わることでデータ容量はリセットされます。
ただし「データチャージ」で購入したデータ容量については62日間まで有効となっています。
データ容量超過後の通信速度
データ容量無制限の「使い放題MAX 5G/4G」以外の料金プラン「ピタットプラン 5G/4G」では、当月のデータ通信量が規定のデータ容量を超過した後は低速でのデータ通信となります。
データ容量超過時の各料金プランにおける通信速度は以下の通り。
料金プラン | 低速時の通信速度 |
使い放題MAX 5G/4G | - |
ピタットプラン 5G/4G | 最大128kbps |
「使い放題MAX 5G/4G」についてはデータ容量に上限はありませんが「テザリング」「データシェア」「世界データ定額」を利用する場合、それらのデータ容量は合計30GBに上限が設定されています。その為30GB超過時は「テザリング」「データシェア」「世界データ定額」におけるデータ通信速度は128kbpsに制限されます
なお、超過後の速度制限については「データチャージ」を利用してデータ容量の残量を増量することで解除することが可能です。
通信速度の切替は不可
格安SIMによってはデータ通信において「高速モード⇔低速モード」といったように、通信速度を自由に切り替えることが可能なサービスを提供しているブランドもあります。
これは「低速モード」でのデータ通信は通信速度に一定の制限をかける代わりにデータ容量を消費しないというサービスで「節約モード」などとも呼ばれるものです。
あまりデータ通信量を必要としない「軽い」ネット接続は「低速モード」を利用することによってデータ容量のムダ遣いを防ぐことができる、というわけです。
しかし残念ながらauの料金プラン「使い放題MAX 5G/4G」「ピタットプラン 5G/4G」では「高速モード⇔低速モード」の切替の機能は提供されていません。
海外でのデータ通信
auでは「国際ローミングサービス」を提供しているので海外で音声通話、及びデータ通信を行うことができます。
auユーザーが海外でネット接続する場合はauが提供する「世界データ定額」「海外ダブル定額」のいずれかの国際ローミングサービスを利用することになります。
世界データ定額
■料金
・事前予約の場合(早割キャンペーン対象の国・地域)
490円/24時間
・事前予約の場合(早割キャンペーン対象外の国・地域)
690円/24時間
・事前予約なしの場合
980円/24時間
■対象エリア
150以上の国・地域
※早割キャンペーン対象の国・地域は以下
ハワイ、アメリカ(本土)、アメリカ(アラスカ)、カナダ、韓国、台湾、香港、マカオ、タイ、プエルトリコ、米領バージン諸島
海外ダブル定額
■料金
約24.4MBまで:1,980円/日
以降どれだけ使っても:2,980円/日
■対象エリア
150以上の国・地域
「世界データ定額」の方が圧倒的に料金が安いのでおすすめ。グループ旅行など複数人でテザリングするといった使い方であれば「海外ダブル定額」もありかもしれません。
通話オプション
auでは音声通話用の定額オプションとして下記の2種類が用意されています。
月間の通話において、5分を超える通話が多い人は「通話定額2」、5分以内の短時間の通話が多い人は「通話定額ライト2」を利用するとよいですね。
■通話定額2(1,980円/月)
国内通話が24時間かけ放題。
■通話定額ライト2(880円/月)
1回5分以内の国内通話が24時間かけ放題。
なお、「通話定額ライト2」「通話定額2」に加入した場合「電話きほんパック(月額330円)」「電話きほんパック(V)(月額440円)」対象のオプション料が無料となります(別途申し込みが必要)。
【電話きほんパック】
■月額料金
330円
■サービス詳細
・お留守番サービスEX
・三者通話サービス
・迷惑電話撃退サービス
■対応機種
スマートフォン(5G/4G LTE/3G)
ケータイ(4G LTE/3G)
【電話きほんパック】
■月額料金
440円
■サービス詳細
・お留守番サービスEX
・割込通話
・三者通話サービス
・迷惑電話撃退サービス
■対応機種
※au VoLTE対応
スマートフォン(5G/4G LTE)
iPhone 8 以降
ケータイ(4G LTE)
通信速度について
auの通信速度について見てみましょう。通信速度については「みんなのネット回線速度」という、携帯キャリアや光回線の速度比較が出来るサイトの情報を参考にしてみます。
参考:みんなのネット回線速度(https://minsoku.net)
※「みんなのネット回線速度」にて直近3ヶ月に計測された「au」の測定結果からの平均値を参照。(2022年3月11日現在)
※「みんなのネット回線速度」における測定結果は、通信環境や時期によって結果が変わってくるので、内容についてはあくまで参考程度としてください。
下記はauの時間帯別の平均速度です。
※みんなのネット回線速度(https://minsoku.net/speeds/mobile_major_carrier/services/au)より引用
当然のことながら格安SIMに比べると通信速度の安定感はさすがと言ったところですね。数字を見る限りではどの時間帯もストレスなくデータ通信が行えるであろうことが推測されます。
時間帯 | 下り | 上り |
朝 | 125.15Mbps | 18.63Mbps |
昼 | 95.15Mbps | 16.27Mbps |
夕方 | 99.76Mbps | 15.67Mbps |
夜 | 66.01Mbps | 11.3Mbps |
深夜 | 75.73Mbps | 12.84Mbps |
割引・特典など
データ通信の品質とともにauを選ぶ大きな理由となるのがさまざまな割引・特典だと言えるでしょう。
データ通信量3GB以下の月は割引1,650円
「使い放題MAX 5G/4G」では月間のデータ通信量が3GB以下の場合、その月の月額料金から1,650円割引となります。
ただ、データ容量無制限の料金プランを使っていて月間のデータ通信量が3GB以下になるというのはあまり現実的とは言えず、本来の自分の使い方にあった料金プランを選んでいるかどうか、という点を検証してみる必要があるのではないかと思います。
その程度のデータ通信量で済む月が多いのであれば「ピタットプラン 5G/4G」を選ぶか、或いは格安SIMに乗り換えた方がよいかもしれません。
家族割®
auの「使い放題MAX 5G/4G」「ピタットプラン 5G/4G」の利用者であれば、家族間の国内通話料・SMS送信料が24時間無料となります。
「家族割®」の適用条件は以下の通り。
- 契約名義が同一名義、または家族の名義であること(法人を除く)。
- 契約可能な契約回線数は2回線以上10回線まで。
家族割プラス
「家族割プラス」とは、対象プラン(「使い放題MAX 5G/4G」「ピタットプラン 5G/4G」は対象)に加入しいている同居家族の人数に応じて月額料金から割引を行うサービス。
また「auスマートバリュー」に加入している場合は、同居でなく離れて暮らしている家族(50歳以上)も割引の対象となります。
同居家族の回線数による割引額は以下の通り。
回線数 | 割引額(1回線あたり) |
1回線 | なし |
2回線 | 550円 |
3回線以上 | 1,100円 |
auスマートバリュー
「auスマートバリュー」とは、対象となるインターネットサービスを利用している場合、月額料金から料金プランに応じた金額が割引きされるサービスです。
料金プランによる割引額は以下の通り。
料金プラン | 割引額 | |
使い放題MAX 5G/4G | 1,100円 | |
ピタットプラン 5G/4G | 1GBまで | 割引なし |
1GB超~7GBまで | 550円 |
対象となるインターネットサービスは以下の通り。
「ネット+電話」
【光サービス】
- auひかり(@nifty、@T COM、ASAHIネット、au one net、BIGLOBE、DTI、So-net)
- auひかり ちゅら
- コミュファ光
- eo光
- Pikara(ピカラ光)
- メガエッグ
- BBIQ
- ひかりJ
【ケーブルテレビ】
- J:COM
- 提携先ケーブルテレビ
「ネット+テレビ」「テレビ+電話」
au PAYカードお支払い割
「使い放題MAX 5G/4G」「ピタットプラン 5G/4G」は利用料金の支払い方法を「au PAYカード」にすることで110円割引きとなります。
メリット・デメリット
最後にauのメリット・デメリットをまとめてみました。それぞれをよく把握したうえで、自分の使い方にはメリットの方が多いのか、デメリットの方が多いのか、を検討してみるといいですね。
auのメリットとしては以下のような点があげられます。
- どの時間帯も比較的通信速度が安定している。
- 割引き特典が豊富。
- 家族間の国内通話が無料のサービスあり。
- インターネットサービスとセットで割引きあり。
- 実店舗でのサポートあり。
- 海外でデータ通信が可能。
auのデメリットとしては以下のような点があげられます。
- 月額料金が高い。
- 余ったデータ容量の繰り越しができない。
- 通信速度の切り替えができない。
- データ容量の追加購入料金が高い。